kees van dongen
の小部屋
初めての出会いは本の中でした。
エコールド・パリの画家たちの作品ばかりを集めた、けっこうしっかりしたハードカバー。
その本を買った元々のきっかけはモディリアーニの作品でしたが、
キスリングもローランサンもシャガールもそれぞれいい所取りな感じがする作品ばかりが
載っていて、得したお買い物だと思っていました。
そんな中、なんとなく拒否反応がおこり、”なんて絵だろう・・・”と、思ったのがこちらの絵でした。
キースヴァンドンゲン 『羽飾り帽の婦人』 (1910年)
どぎつい色のコントラスト。
真っ黒な目と真っ赤な口紅の女性。
色気と表現するには艶っぽさに欠けている様で、洗練とも程遠く感じられ、
何よりこの色合いに思わずページを閉じそうになりました。
間違えて服に絵の具をべったり付けられてしまったかのようで・・・。
そんなヴァンドンゲンの絵が気になりだしたのはそれから数年経ったある日の事、
友人宅で、ある画集を観ていた時の事でした。
少し気になる絵を見つけ「これって、凄い色だよね」と友人に同意を求めた時
自分の持っているエコールド・パリの作品集に載っていたあの人の絵だと気が付き、
”羽飾り帽の婦人”の絵の事を思い出しました。
・・・これまた強烈なコントラストです。
『アガーテ・ヴェゲリフ・グラヴェスタインの肖像』(1909)
「なんだコレは・・・。」と思いつつも
いつの間にか嫌悪感が好奇心に変化していき、いつしか
彼の絵を探して回るようになっていました。
初対面であまりにも”強烈な色使い”というイメージが
Derniere mise a jour :
le 31 janvier1999.
[
Site precedant
] [
Site au hasard
] [
Site suivant
]
植えつけられた為か、
たまにナチュラルな色合いの作品を見つけると必要以上に気に入ってしまったりして、
まだ私の知らないヴァンドンゲンがいるんじゃないかと
探して周っています。
最初は怖いもの観たさ的なノリだったはずなのに
観れば観るほど気になってきて・・・。
色彩での表現にこだわったと言われるヴァンドンゲンの作品だけに、最初のうちはどうしても
強烈な色彩の方に目がいってしまっていたのですが、よくよく観ていくと
画面の完璧な構成や、洗練されたデザインセンスを、
わざと奇抜な色彩で撹乱させているかの様に
思えてきたのです。
そんな中で、私の中で最も決定的だと思った作品が、こちらの
『猫を抱く女』(1908年)でした。
ヴァンドンゲンの作品の中では珍しくうつむき加減の女性が、
赤茶とピンクとグリーン、そして、そこに吸い込まれてしまいそうな黒との
コントラストで描かれています。
彼の作品から強烈な色彩が取り除かれると、
そこには、シンプルで美しい画面構成と洗練されたデザイン力があったのだ、と
感じさせられ、納得させられた一枚でした。
画面を大胆に分ける黒。
優しくて温かい色彩。
顔を埋めて猫を抱く女性。